ネットワークのゲンバ ~ShowNetを支えるメンバーたちの奮闘ブログ~

2014/06/02

NocTeam

今年の注力4テーマ特集 vol.1: ファシリティ編



6月11日、今年もいよいよ幕張メッセでINTEROP Tokyo 2014が開催されます。そして、INTEROP当日に向けて、いよいよShowNetの構築作業が始まりました。

今年のShowNetのコンセプトは「Scratch and Rebuild the Internet - phase1: tough core, soft edge, for future apps」。

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ShowNet NOC teamが、10年後の技術課題を見据え、まずは今年から3年間かけてShowNetの解体、再構築に挑戦していきます。
1年目となる今年は、4つの注力テーマを掲げ、現状の課題解決策やShowNet NOC teamが思い描く未来像を具体化します。

このブログでは、ShowNet NOC teamジェネラリストである東京大学 関谷先生が4テーマそれぞれを担当するShowNet NOC teamメンバーにインタビューした模様を先取りしてご紹介します!楽しみにしていてください。

第1回目の今回はファシリティ編をご紹介します。

最近はクラウドへの移行が進む中で、設備集約による高密度配線化やそれに伴うエアフローへの影響なども課題になってきているようです。




関谷:
まずはじめにファシリティ系でここ近年話題になっていることはありますか?

伊藤:
最近は「細径」(さいけい)ケーブルに注目が集まっています。細くて、柔らかくて、かつ高品質な通信を支えられることが重要です。単価は安いですけどね(笑)。

関谷:
細径ケーブルに関連して、配線部のラックマネジメントでは従来のパッチパネル、レール、ケーブルガイドなど、いろいろなモノがありますが、最近は何か新しい課題はありますか?

伊藤:
根本的な役割自体は変わらないのですが、ラックの空調という観点ではエアフローを考慮した配線、つまりケーブルが空気の流れを邪魔しないことが重要です。ファシリティでは、ケーブル束の裁き方によって、例えば電源ケーブルがトグロになると、熱源になってしまうこともあります。冷却とエアフローへの配慮は無視できない関係にあると思います。

関谷:
空調・冷却に関してはラックベンダーからも製品が出てきているようですね。

伊藤:
外資系を中心に、データセンタのファシリティ、ラック、冷却まで含めたソリューションをサポートしているベンダーも出てきています。データセンタまでいかない規模でもシェルタをつくりあげて、そのスペースを冷却したり、ラックが数本の企業向けに、エアフローを作るラックマウント型のブロア製品もあります。
大松:
話は少し変わりますが、最近の企業ユーザは物理的な設備を削減する傾向が強いです。クラウドへの移行が進んでいるのだと思います。ただし、コンプライアンス的に外部のサービス上に置けないものもあるためケースバイケースです。

関谷:
やはり外部に置けないと思われるシステムは、自社内という例がまだ多くあるわけですね。そういうケースで新たに設置する場合、導入されやすいファシリティ、トレンドのようなものはありますか?

大松:
ここ最近だと、高密度サーバ、仮想化、プライベートクラウドを活用して物理的な設備数を減らす方向に進んでいます。電源ケーブルやサーバラックの数も減っています。これは一例ですが、弊社の場合、数年前と比較して、3分の2程度になりました。
清水:
弊社はISPですが、数年前にワンフロアーぐらいあった設備群を一新して、数列のラック列になるぐらいに集約しています。ファシリティ系では、先ほど話題になった細径ケーブルを採用し、高密度配線を施しました。あとはトップオブラックにスイッチを置き、配線を下に流しています。電源や監視カメラなどの設備は、データセンタが持っている設備を使っています。

関谷:
なるほど。ISPのように多数のラックがあるところではマネジメントが大変ですよね。ラックの配置、インフラの配線図などは、どうやって管理していますか?

伊藤:
StruxureWareなどのDCIMを使い、モニターからデータを吸い上げてマッピングするソリューションはありますが、日本ではまだ多くはないようです。
清水:
(日本においては)まだ決定的なソリューションはないですね。探りながら、というのが正直なところです。弊社では構成管理ツールには内部で開発しました。出来合いのものでは、自社の環境になかなか合わなかったので。

関谷:
ここから未来の話にいきたいのですが、将来一番必要だと感じていることはありますか? 

清水:
ShowNet でも苦労しているのですが、各機器の大きさ、奥行などが各社の思想で、まちまちです。同じラックに載せると当然デコボコしますし、装置によってフロント配線だったり、リア配線だったり。ものすごく基本的な課題ですが、この辺りが整理されていくことが将来的に求められると思います。
伊藤:
将来的には、悩まずにラックにポンポン自由にはめられる、そういう形になればいいなと思います。流行の「OCP」(Open Compute Project)みたいなコンセプトで...。OCPの規格は、特に大規模事業者で求められるでしょう。

関谷:
やはりShowNetで感じている積みにくさ、降しにくさは、他の場所においてもメンテナンス性という観点では本質的課題なのですね。
OCPのようにラック規格が統一してくると、今度は電力管理やファシリティマネジメントもやりやすくなるはずで、OCPには期待が持てるわけですね。大規模事業者だけでなく、エンタープライズでも便利だと思います。まだ始まったばかりなので、日本で流行るかどうか分かりませんが、今年のSDI ShowCaseには出てくるので、来場者は興味深く見る方が多いかもかもしれません。



インタビューの続きは会場で配布されるShowNet Magazineに掲載されています。ぜひチェックしてみてください。

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次回はDC/クラウド編です。お楽しみに!


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