OSS生成AIの知的財産問題と欧州AI・データ規制、米国安全保障規制

様々なオープンソースの生成AIモデルが開発、GitHub等で提供されており、その数も日々増加している。これらオープンソースの生成AIは、ソフトウェアと同様のMIT、Apache、GPTなどのライセンスで提供されており、ライセンス上はソフトウェアと同様に位置づけされている。既に生成AIが様々な知的財産上の課題を提起しているなか、オープンソース生成AIモデルの登場がより状況を複雑にしていると言える。 他方、AIやデータに関する欧州・米国の規制が国内企業に様々な影響を与えようとしている。これら規制は、AIの開発・提供、収集したデータへのアクセス手段の提供義務など、AIとデータを用いたデバイス、システム、サービスのアーキテクチャ、サービス設計だけでなく、ビジネスの在り方に大きな影響を与えると考えられる。また、米国の安全保障規制がクラウドプラットフォームの利用形態にまで影響を与えようとしている。 本セッションでは、ITベンダ、製造業など、AI、データを用いてビジネスを行う全ての企業が知っているべきこと、気付いているべきことを網羅的に紹介する。
<要旨>

●AIと知的財産・権利・倫理・保証の関係 ●EU AI規制、データ規制 ●米国 安全保障規制 ●オープンソース生成AIとライセンス ●製造業、ITベンダのビジネスへのインパクト

  • AI/生成AI
  • 法律・規制
Speaker

TMI総合法律事務所

パートナー弁護士

柴野 相雄

2002年弁護士登録、TMI総合法律事務所入所、2010年ワシントン大学ロースクール(LL.M., IP Law and Policy コース)卒業、2016年慶應義塾大学法科大学院非常勤教員就任(知的財産法務ワークショップ・プログラム)、2022年6月一般社団法人 外国映画輸入配給協会 理事、デジタル庁技術検討会議 ガバメントソリューションサービス タスクフォース専門委員就任、2023年1月慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任教授就任。知的財産、情報の保護、電子商取引に関する法分野を専門とし、エンタテインメント、IT、インターネットビジネス、広告、メディアに関する裁判、法律相談等を多く扱う。近時の主な著書として、「IT・インターネットの法律相談[改訂版]」(2020年青林書院)、「AIDCプラットフォームにおけるデータ提供契約に関する報告書」(2022年一般社団法人AIデータ活用コンソーシアム)、「個人情報管理ハンドブック(第5版)」(2023年商事法務)等がある。

Speaker

東京大学

国際高等研究所東京カレッジ 准教授

江間 有沙

東京大学国際高等研究所東京カレッジ准教授、国立研究開発法人理化学研究所革新知能統合研究センター客員研究員。専門は科学技術社会論(STS)。人工知能やロボットを含む情報技術と社会の関係について研究。内閣府AI戦略会議構成員、国連のAIに関する諮問委員会元メンバーなど、政府、国際機関等のAI関連会議へ多数参画。主著は『AI社会の歩き方−人工知能とどう付き合うか』(化学同人、2019年)、『絵と図で分かるAIと社会』(技術評論社、2021年)、『分身ロボットとのつきあい方(岩波書店、2024)』。

Speaker

東京大学

先端科学技術研究センター
経済安全保障インテリジェンス分野・特任講師

井形 彬

東京大学先端科学技術研究センター特任講師(経済安全保障インテリジェンス分野)。新アメリカ安全保障センター(CNAS、米国)、パシフィック・フォーラム(PF、米国)、オーストラリア国立大学国家安全保障カレッジ(ANU NSC、豪州)、豪州戦略政策研究所(ASPI、豪州)、欧州価値観安全保障研究所(EVC、チェコ)、中国政策に関する国際議員連盟(IPAC)など、国外シンクタンクのフェローやアドバイザーなどを兼任。その他様々な立場から日本の政府、省庁、民間企業に対してアドバイスを行う。

Chair

日本マイクロソフト(株)

業務執行役員
ナショナルテクノロジーオフィサー

田丸 健三郎

1992年マイクロソフト入社。 米国 Microsoft Corporation(Redmond)にて、主にメッセージングシステム、ディレクトリサービス、及びグローバル分散処理システムの研究開発を担当。 機械学習によるルーティングの最適化、コミュニケーションデータ(自然言語)の分析、モデル化に従事。 その後、アジア地域におけるサーバーアプリケーション製品群の研究開発グループ統括責任者を務めた後、 2009年10月より業務執行役員 ナショナルテクノロジーオフィサーに就任後は、エンタープライズ、 クラウドアーキテクチャ、ドキュメントフォーマット、文字コードなどの標準化および機械翻訳などに携わり、2021年9月からはデジタル庁 プリンシパル ソリューション アーキテクトを兼務。     

閉じる