サイバネティックアバターを支える次世代ネットワーク
〜人の身体能力を超えたアバター社会の実現に向けて〜

現在のインターネットは、現実空間の様々な事象や人間の活動をデジタルデータとして収集・認識し、データ処理や分析を経て、実社会における問題発見・問題解決を支援しています。特に無線通信技術の進化は著しく、人々が空間や身体の制約を超えてあらゆる場所で協力・連携をすることが日常になりつつあります。 一方で、人間がインターネット利用で感じる遅れは、通信遅延はもちろん、デジタル機器のさまざまな処理オーバーヘッドなどがありゼロにすることはできません。しかし、非同期通信や分散処理などを組み合わせて、ネットワークゲームなどでは体感的にはラグの無い通信を実現しつつあります。現実空間においても、主体的実時間性が失われない通信技術によって遠隔地の状況や体験をリアルタイムに共有したり、別の場所にいる人間同士がスムーズに協調作業を可能とする研究が行われています。 本セッションでは、ムーンショット事業の目標1「2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会」の中で研究開発が進んでいる、サイバネティック・アバター(CA)という「もう一つの身体」を通じて、人々が身体の制約を超えて経験や技能を流通・共有・拡張し、より多様で豊かな人生を送れる未来社会について研究者自身が解説をおこない、遠隔アバターによる、誰もが自分らしく社会参画が可能な未来社会について議論します。
<要旨>

●サイバネティック・アバター ●主体的操作性(Sense of Agency) ●テレワーク、テレオペレーション、テレイグジスタンス ●5G,Beyond 5G

  • ネットワーク
  • 5G/Beyond 5G
Speaker

(株)ソニーコンピュータサイエンス研究所
リサーチャー /

沖縄科学技術大学院大学
客員研究員

笠原 俊一

博士(学際情報学)株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所(Sony CSL) リサーチャー、Cybernetic Humanity プロジェクトリーダー、沖縄科学技術大学院大学(OIST) 客員研究員、科学技術振興機構さきがけ研究員。 2017年東京大学大学院情報学環博士課程修了。 人とコンピュータが融合することで生み出される“新たな人間性 : Cybernetic Humanity “を主題として、コンピュータ科学と人間科学の両側面からのアプローチを通じて探究。研究成果はコンピュータグラフィクスやHuman-Computer Interactionの主要国際会議やカンファレンスでの発表に加え、研究の体験化作品の展示・テクノロジーの社会実装を行う。 2023年よりソニーCSLとOISTの共同研究の一環でCybernetic Humanity Studioにて活動する。

Speaker

東海大学

観光学部
准教授

佐藤 雅明

観光学科准教授。博士(政策・メディア)。慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科特任准教授(非常勤)。 インターネットを基盤とした自動車の情報化を提案し、プローブ情報システムの実証実験、インターネットITS分野の立ち上げや、プローブ情報システムの国際標準規格の策定をおこなう。2012年からシンガポール国立大学(NUS)に赴任し、シンガポールのITS通信基盤、次世代ロードプライシング技術の研究開発と規格策定に携わる。2015年から慶應義塾大学大学院政策メディア研究科特任准教授を経て、2022年より現職。 東海大学観光学部准教授。博士(政策・メディア)。慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科特任准教授(非常勤)も兼務。 インターネットを基盤とした自動車の情報化を提案し、プローブ情報システム分野の立ち上げや、ITS国際標準規格の策定をおこなう。2012年にシンガポール国立大学(NUS)に着任し、シンガポールのITS通信基盤、次世代ロードプライシング技術に携わる。2015年から慶應義塾大学大学院政策メディア研究科特任准教授を経て、2022年より現職。 国内と海外の双方の視点から次世代モビリティ等の研究開発、および国際標準化に従事。ISO/TC204国際専門家、ITS技術標準化専門委員会委員等、国内外のITS技術・標準化委員等を多数務める。著書に「自動車ビッグデータでビジネスが変わる!プローブカー最前線」(インプレスR&D)、「IoT時代のセキュリティと品質: ダークネットの脅威と脆弱性」(日科技連出版社)など。

Chair

慶應義塾大学大学院

メディアデザイン研究科
教授

砂原 秀樹

                         

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