自動運転・SDV時代に求められるソフトウェアの責任と機能安全という考え方
AIの目覚ましい発展と相まって、組み込みソフトウェアはますます社会の中枢を支える存在となっています。自動車業界においても「Software Defined Vehicle(SDV)」という言葉が生まれ、自動運転やOTA(Over the Air)による機能更新など、車両におけるソフトウェアの重要性が一段と高まっています。そしてその一方で、誤作動や通信障害が直ちに社会インフラや時に人命にすら影響を与えるリスクも増大しています。
こうした背景から、自動車業界では早くから「機能安全(Functional Safety)」や「SOTIF(意図された機能の安全)」などへの対応を進めてきました。機能安全はソフトウェアを含むシステム機能が失陥した場合も許容できない危険な状態に陥らないように設計する考え方であり、SOTIFはシステムとして正常動作時であっても性能限界や周囲との関係において生じる予期せぬリスクを扱うものです。いずれも電気電子制御の大規模化と複雑さが進む自動車において不可欠な概念です。
本講演では、SDV・自動運転時代における広義の「機能安全」の重要性や取り組み課題など、また本年12月に開催される「自動車機能安全カンファレンス」の見どころについてご紹介します。