インターネットトラフィック最新事情2026

近年、日本におけるインターネットのトラフィック量は増加を続けており、固定ブロードバンド通信および移動通信の双方でデータ通信量が拡大しています。動画配信、リモート会議、オンラインゲームに加え、スポーツや音楽などのリアルタイムイベント配信も、トラフィック増加の要因となっています。 本セッションでは、まず通信事業者の視点から、日本国内のインターネットトラフィックの現状を分析し、トラフィック総量の推移、ネット配信イベント時におけるトラフィック変動、利用アプリケーションの傾向、地域別トラフィック特性、IPv6の利用状況などについて紹介します。 一方、近年では、生成AIの普及に伴い、AIデータセンター内部においても、GPU間通信による大規模なトラフィックが発生しており、従来のインターネットトラフィックとは異なる通信特性が注目されています。 生成AIの学習や推論では、大量のGPU同士で無数のデータをやり取りするため、サーバ間のEast-West通信が大量に発生します。このようなGPU間通信を支えるには、400Gbps/800Gbpsの高帯域に加え、低遅延、パケットロスを抑制した通信環境が求められます。さらに、このような通信では、短時間にトラフィックが集中するマイクロバーストやElephant Flowなどの特徴的な通信パターンが発生します。 またセッションの後半では、AIワークロードを支えるクラウド事業者のネットワーク構成をベースに、実際のネットワークで観測されたトラフィックの実態を紹介します。あわせて、さらなる高帯域への展望や、高精度なトラフィック観測の重要性について議論します。
<要旨>

●インターネットトラフィック ・トラフィック量 ・イベント配信トラフィック ・利用アプリケーションの傾向 ・地域別トラフィック特性 ・IPv6トラフィック ●AIデータセンター内トラフィック ・GPU間トラフィックの特徴 ・トラフィック量 ・同一スイッチ内折り返し通信とSpine経由通信の割合 ・1秒未満の高精度観測の必要性

  • AIインフラ
  • ネットワーク
  • データセンター
Speaker

KDDI(株)

先端技術企画本部 兼 技術企画本部
チーフアーキテクト

熊木 健二

1996年名古屋大学大学院修了。同年国際電信電話(現KDDI)(株)入社。 同社にてAS2516の設計を経た後、MPLSに関る技術開発からIP-VPNサービス立上げを行い、設計・開発に携わる。 2006年より研究所にて、次世代NWアーキテクチャに関する研究に従事。 その後、KDDIにて、統合バックボーンNWなど様々な基幹NWの設計・開発、ならびにホワイトボックスのルータ開発・商用化に携わる。IETFにて多数のRFC化に貢献。 TIP Technical Committee、OOPT議長、DOR議長、ENAI議長。 博士(情報理工学、東京大学)

Speaker

さくらインターネット(株)

サービス統括本部 サービス基盤部
シニアエンジニア

黒澤 潔裕

通信事業者やコンテンツプロバイダにて、大規模ネットワークの設計・開発に従事。 2024年9月よりさくらインターネットに参画し、生成AI基盤のネットワーク設計・自動化に携わる。100台規模のGPUクラスタ立ち上げを複数経験し、そのうちの一つは2025年6月のTOP500で世界49位にランクインした。その時の取り組みは The Linux Foundation に成功事例として掲載。 現在は、AI/HPC基盤の立ち上げで得た知見を還元するため、社外への発信にも取り組んでいる。                 

Chair

(株)インテック

未来共創センター

永見 健一

1992年 東京工業大学理工学研究科修了。 同年 東芝入社。ラベルスイッチ技術(MPLS)の研究開発を行い、IETF MPLS WGで標準化活動を実施。 2002年よりインテック・ネットコア。高信頼ネットワーク、ネットワーク運用管理の研究開発を行い、IETFで運用管理に関する標準化活動を実施。 2011年よりインテック。IoTセキュリティ、屋内位置測位、デジタル認証、ネットワークの品質計測などの研究開発に従事。 博士(工学) 

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