ワット・ビット連携(4):電力のメルカリ化は可能か? ~北海道と九州で始まる"ワットの地産地消"革命
~捨てられる再エネを地域で使い切る、インター・マイクログリッドが拓くプロシューマー経済~

九州では、太陽光発電の導入拡大により、年間10億kWh以上の電力が出力抑制によって活用されずにいます。北海道では、風力発電のポテンシャルが高く電力に余力がある一方で、送電線の容量不足により大消費地へ送ることができません。その一方で電気料金は上昇を続け、災害時の停電リスクも高まっています。 こうした課題を解くカギが「インター・マイクログリッド」です。これは、大規模な上位送電網に過度に依存せず、地域内で発電した電力を地域内で活用し、不足分や余剰分は地域間で相互に融通し合う考え方です。インターネットが情報流通を大きく変えたように、電力においても、単なる地産地消にとどまらず、地域間で相互補完する時代を切り拓けるのではないでしょうか。 本セッションでは、北海道で農家が牛のふん尿などを活用して挑戦するマイクログリッド、陸上風力発電が豊富な道北で進むデータセンター開発、および九州で太陽光発電の余剰電力を地域内で有効活用しようとする取り組みを紹介します。2018年の北海道ブラックアウトで、搾乳ができず牛乳を廃棄せざるを得なかった酪農家が、なぜ今「電力の生産者」になっているのか。出力抑制によって売電収入が減少した九州の発電事業者は、どこに活路を見いだそうとしているのか。現場の具体例を通じて、その背景と可能性をひもときます。 後半のパネルディスカッションでは、かつてブロックチェーンを活用した取り組みとして注目された「P2P(Peer-to-Peer)電力取引」が、なぜ広く普及しなかったのかを振り返ります。そのうえで、「インター・マイクログリッド」は現実的な選択肢となり得るのかを議論します。完璧な安定供給だけを追い求めるのではなく、地域で支え合う柔軟な電力システムへ。本セッションでは、その可能性と乗り越えるべき課題を、現場の当事者とともに考えます。
<要旨>

●九州の出力抑制問題:なぜ「発電するな」と言われるのか ●北海道ブラックアウトの教訓と、酪農地帯で生まれたマイクログリッド ●電力の「消費者」から「生産消費者(プロシューマー)」への転換 ●P2P電力取引はなぜ商用化に失敗したのか ●「インター・マイクログリッド」とは何か:分散・自律・相互接続の思想 ●地域新電力とインター・マイクログリッドが拓く、エネルギー自治の可能性

Speaker

(大)北海道国立大学機構 理事・CIO /

(株)三菱総合研究所 顧問

中村 秀治

                         

Speaker

調整中

                         

Chair

アレドノ(同)

代表

小野寺 好広

タイムテーブルに戻る 閉じる