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A01-04

6.9(水) 16:40-18:00 | オンライン配信

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アイデンティティの主権を取り戻せ
~分散型ID (DID) 関連技術とトラスト基盤のゆくえ~

従来、企業やその他の組織においては、「個人の属性や識別子をデジタル情報として扱うことで、本人にサービスを便利に使わせよう」、あるいは、「商流分析やターゲティング広告によって、ビジネスの利益を上げよう」という流れがありました。このようないわば“中央集権的”なIDの管理法に対して、いま、ユーザが自身のアイデンティティを完全に管理する「自己主権型アイデンティティ/Self-Sovereign Identity (SSI)」という大きなうねりが起きつつあります。 この SSI の体系の中において、個人や組織を識別する識別子が「DID (Decentralized Identifier)」です。SSI/DIDを用いれば、たとえば、「難民にデジタルIDを付与して社会生活を送りやすく」したり、「大学が将来廃校になったとしても、有効(証明可能)な卒業証明書や成績証明書を発行できる」ようになります。 またデジタル庁の創設に象徴されるように、社会全体のDX (デジタルトランスフォーメーション) は加速しています。またマイナンバーの活用拡大もデジタル庁を中心に模索されつつあり、「2030年にマイナンバーはどうなって(管理されて)いるのか?」も、気になるところです。そうした環境の中、このセッションでは、ともすれば関心が薄れがちな「ID」の管理に関して、一石を投じ取り上げます。まず「SSI/DIDとその関連技術や応用をめぐる現状」を解説し、ついで「社会のDXが進んでいく中での、個人や組織のデジタルなアイデンティティの望ましい扱い方」や「そのためのトラストの基盤」について、参加者のみなさんとともに考えます。
<要旨>

・分散型ID (DID)/検証可能な属性証明 (VC : Verifiable Credential) の実証実験の紹介を通し、何ができるかを解説 ・SSI/DID や VC をめぐる技術の標準化動向 ・自己主権型アイデンティティがもたらす経済の転換

  • DX・IT戦略
Chair

早稲田大学大学院

経営管理研究科 教授

斉藤 賢爾

1993年、コーネル大学より工学修士号(コンピュータサイエンス)を取得。 2006年、デジタル通貨の研究で慶應義塾大学より博士号(政策・メディア)を取得。同大学院政策・メディア研究科 特任講師等を経て、2019年9月より早稲田大学 大学院経営管理研究科 教授。 また、2016年より株式会社ブロックチェーンハブ CSO (Chief Science Officer)。 一般社団法人ビヨンドブロックチェーン代表理事。一般社団法人アカデミーキャンプ代表理事。 一般社団法人自律分散社会フォーラム副代表理事。 慶應義塾大学 大学院メディアデザイン研究科 講師(非常勤)。

Speaker

(一社)OpenIDファウンデーションジャパン

理事

富士榮 尚寛

デジタルアイデンティティ分野で18年以上の経験を持ち、大手自動車製造業のグローバルID基盤に関するコンサルティング~PMを担当。 2018年よりOpenIDファウンデーション・ジャパンの理事、KYC WG・リーダーに就任。 2020年1月より米国OpenID FoundationにてeKYC and Identity Assurance Working Groupの設立および共同議長に就任。 近年は分散型IDテクノロジに関する各種実証実験等にも従事。

Speaker

内閣官房

デジタル市場競争本部 次長

成田 達治

1992年4月(当時)通産省入省。 2011年10月原子力損害賠償支援機構執行役員、2012年8月日本貿易振興機構ニューヨーク事務所産業調査員、2015年7月大臣官房参事官、2016年6月資源エネルギー庁長官官房総合政策課長、2017年7月商務情報政策局情報産業課長、2018年7月大臣官房審議官(商務情報政策局担当)などを経て、2019年7月より現職。

Speaker

日本マイクロソフト(株)

業務執行役員
ナショナルテクノロジーオフィサー

田丸 健三郎

1992 年マイクロソフト入社。 米国 Microsoft Corporation(Redmond)にて、主にメッセージングシステム、ディレクトリサービス、及びグローバル分散処理システムの研究開発を担当。 機械学習によるルーティングの最適化、コミュニケーションデータ(自然言語)の分析、モデル化に従事。 その後、アジア地域(日本、台湾、韓国、中国)におけるサーバーアプリケーション製品群の研究開発グループ統括責任者を務めた後、 2009年 10 月より業務執行役員 ナショナルテクノロジーオフィサーに就任後は、エンタープライズ、クラウドアーキテクチャ、ドキュメントフォーマット、 文字コードなどの標準化および機械翻訳などに携わり現在に至る。

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